視触診

5)乳がんの診断にくわしい医師による視触診

文字通り「見て」「触る」基本的な診察です。
わざわざ「乳がんの診断にくわしい医師の」としているのは、「見て」「触る」だけの診察ですから、異常に気がつくためには経験も必要だからです。

市町村がやってる住民検診などでは、視触診だけのことが多かったのですが、かなり乳がんが増えてきて、この視触診だけで十分なのかという議論が出てきています。 実際、市町村によっては、後からお話しするマンモグラフィなども一緒にやることがあるかもしれません。

視触診は、基本的には痛いことはありませんが、ギューッと乳首のあたりをつまむことがあります。痛いのが嫌な人は前もって言ってください。
これは、触ってもわからない乳がんを見つける1つの方法です。
ギュッと絞って、乳首から出るものを乳頭分泌といいます。
ミルクみたいのが乳首のいくつもの穴から出るときはそう気にしなくていいのですが、1つの穴から、赤いもの・黒いもの・茶色いもの(すなはち血の混ざったもの)が出るときはちょっと注意する必要があります。
しかし、出たからといって、あせることはありません。
ほとんどは乳管内乳頭腫という良性の腫瘍か、乳腺症の一部で出ていることが多いです。
ただ、中にはごく初期のがん、触れないようながんが出しているときもあります。