偶然さわって大きな「しこり」に気づき受診される方が少なくありません。
手術後の治療成績は、手術時のしこりの大きさに左右されるといわれます。
乳がんで手術を受ける方の9割弱は「しこり」がきっかけで診断されています。
ですから、小さく見つけるためには「自己検診」が大切であるといえるでしょう。
私が考える「自己検診」をお話しましょう。
まず、乳がん検診を受けていただきたいと思います。
乳がん検診は、できれば次の3つのものを年一回やっていただきたいと思います。
1…乳がんの診断にくわしい医師による視触診
2…乳腺超音波検査(エコー)
3…乳房X線撮影(マンモグラフィ)
その検診で、問題がなかったならば、その時点の自分の乳腺をさわり、まるごと、ご自分の「基本形」として記憶してください。
この「基本形」を覚えることは、その後、自分でおっぱいを触ったときに異常を感じるために重要なことです。
次に、自分でおっぱいをひと月間隔で触って「基本形」と比べてみます。
一般的には、この自分で調べるのを「自己検診」というと思います。
乳腺は正常でも凸凹していますが、その後乳がんが出現したならば、大部分の乳がんは「しこり」として触れるようになり、さきほどの「基本形」にプラスアルファの変化が生じます。